「逮捕された瞬間、覚えてます」……覚せい剤によって地に落ちた元葉山町議、『じっくり聞いタロウ』で赤裸々告白

2020年9月19日

　なお、覚せい剤を使っていた時は「“睡眠を抑制できるんだな”ということを実感した」「集中力も上がる（と感じていた）」とのこと。こうして自ら薬を購入するようになった細川氏だが、「その時も常用には至らなかった。っていうのは、やっぱ正直なところ、貧乏だから。0.何グラムのものを1万円とかで買えないので。それはもう続かなかった」と、ここまでは長期間の乱用はせずに済んでいた様子。そして15年4月、細川氏は長年の夢であった町議に。「20年かかってるんですよ。目指してから。20年間の間に、理想像がどんどん膨らんでいくんですね。『俺はこういう議員になってみせる！』みたいな。『時間を無駄にしたら、税金を無駄にしているのと一緒だ』みたいな強迫観念とか。課題がいっぱいあるんですよ、テーブルに。山ほどある。どうやったら片付けられるのか、途方もないというか……」と、膨大な仕事量に押しつぶされてしまったそうだ。

　そんな中、「（覚せい剤のことを）思い出して。（使えば）寝る時間をさける。覚せい剤を使う前から、議員になった時点でそういう生活になっちゃってました。もう布団で寝ない、みたいな。仕事をしたまま、ほとんどパソコンですよね。深夜までずっと……」と、回顧。“覚せい剤によって集中できる”といった悪魔のささやきが頭をよぎり、次第に溺れていってしまったのだ。「ひどい時はどれぐらいの頻度でやってたんですか？」（河本）と問われ、「最初は1ヵ月に1回買う程度でも大丈夫だったんですよね。でも、最後逮捕された時は週に1回くらいは買いに行っている感じ。だんだん、頻度とか、量とかも増えていって」（細川氏）と、ぶっちゃけトーク。

　また、河本が「自分の逮捕の時、覚えてますか？」とズバリ迫った際は、「逮捕された瞬間、覚えてます。よく。あの時も（覚せい剤を）買いに行って。バッグの中に、行政の全部目を通さないといけない書類がこのくらい入っていて。“この薬を買って、使って、これに一晩で目を通してやろう”と思って。コンビニ（エンスストア）のトイレで使ったんです。で、コンビニから出てきたところで、（警察）手帳見せられたのかな？　5～6人もう、制服じゃないんですよね。私服の刑事さんが『ちょっとよろしいですか？』みたいな」と、事細かに振り返った。

　名倉が「じゃあ、つけられてたワケですね？」と言えば、「『年末から内偵をしていたんだよ』というのはお聞きしました。っていうかね、『年末から走り出したね』って聞きました。『走り出したね』っていうのは、“頻度が上がった”ということを言っていたんだと思うんだけれど。“刑事さんの言う通りだった”と思います。走り出したんじゃないですかね、もうその方向に……」と、覚せい剤にハマっていった自分自身を客観視。当時、「前代未聞の現役町議・覚せい剤所持で現行犯逮捕」のニュースは新聞でも取り上げられたが、細川氏は“今も後悔していること”があるといい、「逮捕されたのが、深夜11時ぐらいで。（自宅に）帰らないのが、結構当たり前になっちゃってたから。家族はそのまま寝てる。（翌日）息子はそのまま知らないまま学校へ行ってる。妻はパートに行ったんですね。でもその時、ワイドショーでは、どんどん（報道が）出ちゃってるんですよ」と、説明。

　何の情報も得ていない妻は業務にあたり、息子は勉強をしていたものの、「ただやっぱりね、周りの大人の人たちとか、私の知人とかが気づいて。妻のパート先に行って、『ご主人、大変なことになってるよ』って言って。もうそのまま小学校に息子を迎えに行った。息子と妻は、そのまま実家に身を寄せる状態。だからもう、“本当に申し訳ない”と思っているんだけれど、全部がそうだけど、特に申し訳ないのが、息子が学校の友だちにお別れのあいさつもできていないんですよ。突然、転校することになっちゃった。私の都合で、今までも転校させたこと、引っ越ししたことはあったけど、あんなにひどいことはなかったですよね。心の準備もない」と、懺悔した。

　事件の背景を聞いた名倉は「奥様もそうですけど、離婚されなかったワケでしょ？　それは“スゴい”と思いますね。その罪を背負って、その旦那さんと一緒にいるっていうのは。奥様は素晴らしいですよね」と、称賛。現在、細川氏は社会的に弱い立場の人たちを手助けするべく、厚生・社会復帰支援などを行うNPO法人を設立し、各種啓発活動に取り組んでいる。また、周囲の人々や家族の支えで依存症から回復し、幸せな生活を送っているという。

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