「拉致」「ヤンキーに絡まれて……」伝説のバラエティ『ガチンコ!』人気講師が明かす過酷な収録の裏側

2017年10月27日

　このように、当初は乗り気ではなかった大和さんだが、道場に通う弟子に「お前『ガチンコ!』って知ってるか？」と尋ねたところ、「知ってますよ！　当たり前じゃないですか！」「『ガチンコ!』がどうしたんですか？」と、熱い反応が返ってきたとか。「いや、『ガチンコ!』で先生を探していて、なんか『出るの？』『出ないの？』って話になってるんだよ」（大和さん）と答えると、弟子は「めちゃくちゃオイシイじゃないですか！」と、食いついたそうだ。

　というのも、当時の大和さんは試合の度にマスコミへ向けて「試合をやるので見に来てください」といったFAXを1000件近く流していたといい、その作業を見ていた弟子たちは「『ガチンコ!』行ってくださいよ！　アレ（FAXを流す作業）やらなくていいんですよ！」と、『ガチンコ!』出演による“道場の知名度アップ”を指摘。そこで、大和さんは自ら番組のADに「あの件、決まった？」と電話をかけ、「1ヶ月半してから『また局に来てくれ』っていうことで行って、『大和さん、今回ウチの新しい企画があるんですけれども、“それをやっていただこう”と思ってるんですけど』みたいなことで（出演が決まった）」と、語った。

　一方で、河本は「『ガチの全国から集めたワル……。“大ワル”を集めて先生とどうなるんだ』っていうところ（企画）ですから、正直（収録で）苦労したでしょ？」と、想像。すると、大和さんは「いや、僕はね……。あぁいう収録に初めて行かせていただいて。まぁ、“しんどい現場だな”とは思いました。ところが、時間が経つにつれてADさんが1番しんどかったみたいです」と切り出し、「不良を集めてやらなければいけないので、オーディションをやるじゃないですか。オーディションをやって落とされたヤツから（ADが）拉致られたりとか」と激白したため、スタジオは騒然。番組MCのネプチューン・名倉潤は思わず「ADが？」と聞き返したが、「ADが。拉致られたことがある」と明言した大和さんに、河本は「ガチすぎるやん！」と、驚愕していた。

　そして、大和さんが出演していた企画も、収録現場は相当過酷だったよう。「1作品目」ではスタッフから「群馬の合宿所に泊まってくれ」との指示を受けていたが、「泊まってなかった」「自分の道場もあるので（群馬まで）行き来してた」（大和さん）と、回顧。「ハイヤー代が月に300万円（かかっていた）」「だから、ヘタな企業の会長より俺、ハイヤー乗ってる……」とコメントし、笑いを誘う一幕も。また、大和さんが「生徒たちは合宿しっぱなしです。そこにADさんがずっと泊まるワケ」と話した時には、MC陣が「うわ～、それはキツい」（河本）、「そら大変やなぁ」（名倉）と、同情の声が噴出。

　さらに、大和さんは合宿所について「山の中なので、イノシシしか出ないようなところ」「廃校」と伝えたほか、「たまに勉強がない時、休みの日に息抜きで（不良の生徒を外に）連れていくじゃないですか、ADが。町の、近くの駅まで降りて。そうすると地元のヤンキーに絡まれて、ボコボコになったヤツ（AD）がいますから」と、証言した。続けて、「それが今、テレ東さんで『ゴッドタン』をやってる（制作会社）シオプロの塩谷（塩谷泰孝社長）ですよ」と業界の裏情報を明かすと、“見届けゲスト”のタレント・矢口真里は「え～！　ウソ！？」などと驚いたが、大和さんは「その時のADはほとんど番組プロデューサーとか、制作会社社長とか、総合エースとか、みんななってますから」と、ニヤリ。これに対し、名倉は「そんだけ鍛えられたからね……」と、納得していた。

　ここで、気になる金銭事情に関し、河本が「先生のところに依頼来たじゃないですか。でも先生との直接交渉なワケですから、出演1回につき（ギャラは）どれくらい？」と、踏み込んだ。大和さんは「自分が“出稽古”をやっていたんですよ、その頃。“（自分が）出てって稽古して10万円貰う”みたいなことを」と前置きし、これを基準に『ガチンコ!』のギャラは「出稽古代として（10万円）貰って、それに片手分を乗っけて15万円くらいくれたのかな」と、1回の出演で約15万円だったと解説。しかし、「現場行き始めてから“両手両足乗っけてくれよ”くらいの（気持ちになった）。思うじゃないですか、大変すぎて」（大和さん）と、後になって不満を感じていたようだ。

　番組終了から14年が経過し、河本から「今、借金が結構（ある？）」と振られた大和さんは、「『結構』はないですよ。僕はまだ3000万円くらいですから」と、借金を抱えている事実と具体的な金額をポロリ。「なんで（借金があるのか）？」（名倉）と聞かれると、「27年間、道場をずっとやってたんですよ。試合でやっぱりいろいろなことをやりますので（借り入れがある）。ウチは法人（の道場）もあるんですが、そっちは黒字もなければ赤字もない、借金もないキレイな会社なんですよ。それを休眠（閉鎖）させて自分が（借金を）全部おっ被ったので」（大和さん）と、説明。自身は『ガチンコ!』出演でお茶の間の人気を博したとはいえ、入門希望者は逆に激減し、閉鎖するまでの道場の維持費で借金が膨れ上がってしまったという。

　そんな大和さんは現在、東京都・狛江市に「1Kのアパート」を借りているものの、「そこは（道場の）事務所だけですから。だから今、住まいはないんですよ」と、告白。名倉が「どうしてるんですか？」と確認したところ、「シュラフ（寝袋）でそこで寝てるんですよ」（大和さん）と驚きの暮らしぶりをぶっちゃけたが、新たに武士道プロダクション「天下流」を立ち上げ、道場を立て直そうとしている模様。大和さんは「最初から動けるワケないじゃないですか。誰も来ないワケだから。“60歳になってまた借り入れだ、ヘッタクレだってのはしたくない”と。それだったら“自分で仕事を探そう”と思って、午前中はトラックの運転手（のアルバイト）に行ってるんですよ」と、まさに“ガチンコ魂”で週5日、借金返済や新道場の活動資金のためにトラック運転手として働いているとのことだった。

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