『じっくり聞いタロウ』でジャーナリストが語る闇バイト求人の裏側……応募者が“抜け出せなくなる”理由とは？

2022年1月21日

　一方、石原氏によれば「（闇バイトの求人を募る）リクルーターとやり取りをするうちに、“これやっぱりちょっと危ないんじゃないかな”と思って引くような人間もいる」というが、リクルーターは狡猾な手口を使い、末端の人材を逃がさないのだとか。

　石原氏は、2021年に京都府警によって逮捕された男が、闇バイトに応募してきた人に対し、運転免許証や学生証を持って自撮りした写真を送信させていた事例を挙げ、「途中で“辞めたいな”って思っても、もう個人情報を、大切なところを押さえられてますから。『これをバラまくぞ』とか『追い込みかけるぞ』って言われたら、もうやるしかない」と、説明した。

　続けて、「1回やってしまったら、それがさらに脅しのネタになりますね。『辞めたいです』（と伝えても）『この前こういう犯罪に加担したろ。これ警察にタレ込んでもいいんだぞ』（と脅される）」「上の人間は尻尾切りできる体制があるワケですから、『全部お前が（罪を）被って、懲役何十年だぞ』みたいな脅され方をして、そうするともう次の仕事もやらざるを得ない」と、闇バイトから抜け出せなくなる一因を語った。

　名倉は「（1度でも悪事を働けば）捕まるまでですよね」と想像し、河本も「上は捕まらない。結局捕まるのはここ（下）」と、闇バイトの恐ろしさを痛感。そんな危険な求人にも関わらず、安易に自撮りや身分証の写真を送ってしまう背景について、石原氏は「私が取材していて、闇バイトに応募する人は『目先のお金が欲しい』っていうのもありますけれど、多重債務なんかで借金が膨れ上がってて、『悪いことしてでも返さないと』みたいに追い詰められてる人なんかいる」と、分析。

　さらに、「そういう人なんかは『審査が必要なので顔写真とID、自撮りして送ってください』みたいなこと言われると、『審査』っていう言葉に慣れてたりするんで、気軽に送っちゃったりする」といった理由も考えられるようだ。

　また、闇バイトの中には“タタキ”なる若年層をターゲットにした犯罪があるといい、石原氏は「強盗のこと」と補足した上で、「少年3人を含む4人組の強盗団が逮捕されて。事情聴取なんかをしたところ『闇バイトで応募した』っていうことなんですけど、少年3人の中に中学生も含まれてた」という事件に言及。

　石原氏いわく、「強盗って非常に（罪が）重い」そうだが、コロナ禍で親の仕事に影響が出て仕送りがなくなった学生や、リストラされてしまったサラリーマンなど、闇バイトに申し込む人が増えているらしい。「下は10代から、上は60代の出し子なんかも逮捕されてる」との話に、名倉が「（最初は）軽い気持ちでな、やってんやろうな」とつぶやくと、河本は「（若者は）成人になりきれてない部分もあるワケで、大人が教えていかなきゃいけない」と、教育の重要性を訴えていたのだった。

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