運び屋、殺人バイト……ネット犯罪に詳しいジャーナリスト・渋井哲也氏が語る“闇サイト”の恐ろしさ

2019年2月15日

　続いて、渋井氏が「高リスクになれば、もうちょっと時間がかかって、たとえば『2～3日かかることもありますけども、100～300万円です』（と書かれている）」と述べた際、河本は「ハイリスクになってしまうと、（運ぶ）モノが（分かる）？」と、質問。これに対し、「モノが見えてる状態の場合もあるし、場合によっては“死体の一部”だったりする」と答えると、ほのかは「それも見えてることもあるってことですか？」と、顔をしかめた。

　渋井氏が「見えてますし、もしかしたら“死体の解体の仕事”かもしれない」と返せば、今度は井本が「現実ですか？」と、確認。渋井氏は「現実です」と、言い切った。ここで、「最初に荷物を『これ持って行って』って言われるのは、どうやってその荷物を受け取るんですか？」（井本）と疑問をぶつけたところ、「その荷物を渡す人も（闇サイトで）募集するんです。実は。だから言わば、本当に頼みたい人（依頼した人）はなかなか出てこないんです」「だいぶ辿らないと出ない」と、説明。

　MC陣は、「（荷物を）渡す人も、渡される人も他人で、まったく面識がないんですよね？」（河本）、「『「渡せ」って言われたから渡してます』っていうだけやもんね」（名倉）、「『運べ』って言われたから運びました」（河本）と、依頼を請け負う側の状況を想像した。また、井本の「『東京から横浜に行ってくれ』も、ひょっとしたら第3段階くらいかもせぇへんってこと？」との発言には、渋井氏も「かもしれない」と、否定せず。このように、闇サイトには“大元の依頼主の特定が難しい”といった特徴があるという。そして、サイトで取り引きされる闇バイトの中でもっとも高額なのは“殺人バイト”だそうで、渋井氏は「『殺してください』っていう応募の仕方もあれば、『なんでもやりますから、なんでも仕事をください』と（書き込む）、両方がありますね」と、話した。

　河本が「いくらって書いてあるんですか？」と尋ねると、「『いくら』って書いてある場合もあるし、やり取りの中で『いくら』って言われる場合もあるんだけども、その中で一番、これまでで多かったのは3000万円。『3000万円で誰かを殺してください』（という求人）」と、暴露。「えぇっ！？　漫画みたい」と漏らす井本に、渋井氏は「漫画じゃなくて、実際にあった」と、強調。「これ、1990年代後半くらいの話？」（河本）との問いには、「1990年代後半～2000年代前半くらいですね」（渋井氏）と、明かした。

　ところが、そんな殺人バイトも「今は、お金っていう意味で見れば、30万円とか。10万円とか」（渋井氏）で取り引きされているといい、出演者は愕然。「実際にそれで捕まってる人もいる」と知り、河本は「いかつすぎるわ、もう……」と困惑し、井本は「コンビニ（エンスストア）で1ヵ月バチバチ働いたらイケますもんね？　30万円」と、コメント。渋井氏いわく、「たとえば『明日30万円、誰かに払わなきゃいけない』っていうような人が“1日で稼ごう”と思ったら、そういうことをやるっていうことを選択しちゃってる」のが現実らしい。

　30万円のために殺人を犯す人々の正体について、「海外の人なんですか？　それとも日本人なんですか？」（河本）と踏み込むと、渋井氏は「100％日本人です」と、断言。「え～っ！？　100？」（井本）、「そんな人が世の中におるんや」（名倉）、「それが怖いです」（河本）などとザワつく中、渋井氏は「無職の人とか、あるいは不安定な仕事をしてる人」が、殺人バイトに手を染めると語った。

　名倉が「でも捕まるでしょ？　すぐ」と指摘すれば、「だいたい捕まります」（渋井氏）とのことだったが、「“（殺人を）依頼した人”が依頼を請け負ってるかもしれない」とも。名倉は「そいつを捕まえて辿っていけば（捕まらない）？」と考えたものの、渋井氏によると「その場合、大元がどこで実際その人に依頼をしたのか（が、問題）」「たとえば、居酒屋とかであれば（大元に）繋がらない」そう。井本が「直接（のやり取り）が間に入ると、一気に分からんようになるんですね」と述べた通り、「ネットで行われてるほうが、まだ分かりやすい」（渋井氏）という面もあるようだ。

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