木村拓哉、『PON!』でジャニーズファンの青木アナに「結構きてますね」と困惑……“小道具＆下あご使い”の質問にも真摯に回答

2017年2月16日

　そして、青木アナはようやく本題へ。「映画『無限の住人』、まずはなんと言っても、もう迫力のある殺陣のシーンの連続で。殺陣というものに対して、木村さんはどのような思いでいつも演じていますか？」と質問すると、木村は「言葉は本当に悪いんですけど、やっぱり“命の奪い合い”というか。“いかに美しく見せるか”というよりかは、“いかに相手の命を取りに行くか”っていうことを先行して考えてましたし、動いてましたし」と、コメント。杉咲も「現場にいて本当に命の危険を感じるくらい、皆さんがすごい熱量で戦い合ってるから。もう怖かったです」と、緊張感あふれる現場だったと答えると、青木アナは「あの真に迫った表情っていうのは、実際に恐怖を感じながらの撮影だったと？」と尋ね、杉咲は「“死んじゃう”って思いました」と、率直な思いを吐露した。

　また、青木アナから「でも、木村さん演じる万次が常に守ってくれるワケですよね。そういった意味では、木村さんの背中を間近で見るシーンが多かったと思うんですが、木村さんの演技はいかがでしたか？」と問われた杉咲は「カッコ良かったです」と返答したが、すかさず青木アナが「ですよね～」と割って入り、当の木村は吹き出して笑う始末。青木アナは「私もそう思ったんですよ！」と同意し、杉咲が「い、一緒ですね……」と言うと、「一緒なんですよ、本当に～」（青木アナ）と、調子よく返した。

　さらに、青木アナは「木村拓哉さんのカッコよさって、数々の演出家や監督が描いてきて、“もう出し尽くしたか”と思われても、まだあるのがこの『無限の住人』なんですよ！」と力説し、木村は素直に「ありがとうございます」と、お礼。「思ったことがいくつかあるんで、ちょっと言わせていただくんですけど」（青木アナ）と前置きし、「木村さんの、まず“小道具使い“についておうかがいしたくて。もうファッションアイテムでも何でも、もう木村さんが持ってると、それがカッコよく見えるんですね。今回の作品でも、たとえば傘を持つ時にクルクルとちょっと回したりだとか。手裏剣を手に取るだけなのに、クルクルと回して手に取ったりとか。あれは（三池崇史）監督からのオーダーがあるのか、それともご自身が“自然に見せる”っていうのは、やられてるんですか？」との質問を投げかけた。

　これに対し、木村は「監督からは何もいただいてないですね。今回、本当にクランクインして、クランクアップするまで、三池さんに一言も言われてないんですよ」と話し、青木アナから「いわゆる、演出とか演技指導みたいなことは（なかった）？」」と聞かれた際も「なので、ちょっとあの……。この場をお借りして……ちょっと消化不良です」と、本音をポロリ。「ということは、セリフまわしだとか、小道具使いだとかはもう“俳優・木村拓哉”として、ご自身でやってらっしゃるということ？」（青木アナ）と尋ねられたが、木村は「そういう風に使えるものとしてスタッフも用意してくださるので、それだけですよ」と、サラリ。

　ほかにも、青木アナは「マニアックなポイントで。私、木村さんの演技の中で、“下あご使い”が大好きなんですよ。下あごで表現されますよね？　たとえば、悔しい時に、キリキリ動かしたりだとか。いや、確実にされてるんですよ、私調べて！　ご自身は意識されてますか？」と木村の演技を細部まで観察していることを主張するも、木村は「してないです」と、照れ笑い。すると、青木アナは「してないんですか！　めちゃくちゃ動いてますよ、下あご！」と言い返し、木村が「下あごですか？　今後、気をつけます」と謙遜すると、「いやいやいや、それがカッコいいので！」（青木アナ）と、フォロー。暴走するトークの中でも、木村＆杉咲は顔を見合わせて笑っていた。

　木村との初対面にノリノリの青木アナだが、今度は本業のアナウンサーの視点から質問。「木村さんは日本語が美しいんです。木村さんって、ベースの声が低いんですね。で、割りとくぐもってしまいがちなんですが、それがパーンと通るのは“発声がしっかりされてるからだ”と私はふんでるんですけど、それも特に鍛錬されたりは？」と疑問を口にし、これに木村は「いや、何もしてないです」と、キッパリ。「やっぱり、私が感じる木村さんの魅力というのは、全てこう、木村さんから“無意識に出ててくるカッコよさ”っていうか……」と語る青木アナに、改めて木村は「本当に何もしてないです」と、特別な訓練は受けていないと強調した。

　この流れから、青木アナが「杉咲さんからご覧になって、なんでこんなにカッコいいと思いますか？」と聞くと、杉咲は「私、結構その……1人で稽古するシーンとかがあって。難しく練習していた時とかに『もっとこうしたらいいんじゃない？』とか、練習にたくさん付き合ってくださったりとか。お昼ごはん食べ終わって、まだ時間空いてる時とかに、サッと来て教えてくださったりしました」と、木村の“神対応”を告白。しかし、青木アナの「それはやっぱり、これまでの俳優人生の中でそういう風にしようと思ったということなんですか？」という問いにも、木村は「いや、“しよう”っていうか。その後、彼女が1人でそういうシーンを撮るっていうのは自分も知ってますし、一生懸命練習してるし。一生懸命練習してくれている彼女がいたら、やっぱり……それはたぶん、みんなそうすると思いますよ」と、ごく当たり前のことだと述べた。

　そして、インタビューは作品の内容に迫り、青木アナが「今回、『無限の住人』ということで、（木村は）不死身の男を演じられました。死ぬことができない、不死身。“命が無限にあるということの苦悩”も描かれていましたよね？」と話を振ると、木村は「原作を読ませていただいたりもして思ったのが、“不死身っていう強さ”ではなくて、“苦しみの方だな、これは”っていう風に。要は不死身ではなく、死ねない（苦悩）っていう、そっちで。ずっと作業はしてましたね」と、回答。

　ここで、青木アナは「そういった意味で言うと、私にとって木村さんは無限のカッコよさを持っているワケなんです。つまり、いくつになっても何を演じても、カッコよくないといけない。その無限のカッコよさの苦しみみたいな、苦悩みたいなものは、木村さんはないんですか？」と、役柄ではなく木村自身の話に踏み込むも、木村は「いや、特にないです」と、苦笑。その上で「それこそ、監督とかディレクターの方が求められることをするだけなので。はい。それはもう彼女も一緒だと思いますけど」と、ストレートな思いを語った。最後に青木アナは「今後も木村さんの動向など、しっかり視聴者の皆さんにお伝えできるように頑張ります」と宣言。木村は「ありがとうございます」と感謝し、青木アナは「よろしくお願いします！」と、気を引き締めていた。

　VTR終了後のスタジオでは、手で顔を覆って恥じらいを見せる青木アナ。「私が与えられた（インタビュー）時間、15分だったので。その15分で私は完全燃焼したんですけど。そして、木村さんも優しく受け入れて、真剣に全て（の質問）に答えてくださったんですけれども……。まぁ、私の実力不足もありまして……。“もう一度、チャンスがほしいな”と」と反省の弁を述べ、MCのビビる大木は「『チャンスがほしい』って何よ」と、ツッコミ。それでも、今回のインタビューに心残りがある様子の青木アナは、同じくMCのますだおかだ・岡田圭右に「岡田さん、また10年後ぐらいにチャンスいただいてもいいですか？」と確認をとったが、岡田は「10年後……えっと、『PON!』があるかな？」と、現実的な問題を心配していたのだった。

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