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元覚せい剤常習者が明かす「幻聴・幻覚」の日々と“克服”への道のり



 一方、30年間も覚せい剤を常用し、逮捕歴5回の勝部俊久さん(51)は、幻聴・幻覚に“段階があった”と証言。始まりは使用から5年ほど経った頃のことで、「一番最初の幻聴っていうのは、子どもの声でした。半分寝て、半分起きているという状態だったので。ハッとして目が覚めて、“なんだ、子どもうるさいな”って、“外にいるのかな?”と思ってカーテン開けたら、真夜中だった」と、実体験を告白。次はテレビ番組の相談コーナーを見ていた際、プライバシー保護のため機械で音声が変わっている相談者の声が、当時の妻の声に聞こえたという。もちろん実際は他人の声だったものの、勝部さんは当時の妻が「自分の悪口を暴露している」と思いこんでしまったのだった。

 そして、今度は幻覚にも悩まされるようになり、「その頃、追跡妄想にとらわれていて。もう、ナンバーを全部控えたり、車の。(控えたナンバーと)同じナンバーだったら“捕まえよう”っていうね」「“テレビ局が(自分のことを)下調べしているのか”と。“リサーチしているのか”と思って。実際に電話したことあるんですよ。内容は言わなかったんですけど『やめろ』とかね」と、明かす勝部さん。薬が切れると「幻聴・幻覚ではないか」と気付き始めたが、「僕の場合は抵抗するんですね。“これが幻聴だ”って抵抗するんです。ところが、その抵抗も体が疲れてくると、頭にずーっとそれ(幻聴)が聞こえて。『こうしろ、あぁしろ』『お前がこうだ』とかね。ずーっと、気をつけない(気にしない)ということを何時間も思ってるのは難しくて。体力がなくなってくると、それ(幻聴・幻覚)に捕まってしまうんです」とのこと。こうした症状がエスカレートした結果、いきなり通行人に「お前この野郎!」と、掴みかかることもあったそうだ。

 潮騒ジョブトレーニングセンターの栗原豊センター長は、悪化していく幻聴・幻覚症状を克服するには「“依存性は病気”だという捉え方。そこを認めることによって回復が始まった。自分の病気に私(自分)が寄り添っていく。一生治らないから」と、提言。栗原さんによれば、幻聴や幻覚は覚せい剤の使用をやめた後すぐに治めるワケではなく、「1週間から数ヶ月・数年続く人もいる」とか。

 幻聴・幻覚を経験しながらも、“家族の支え”によって覚せい剤依存から脱却できたと語るのは、シンガーソングライターの杉山裕太郎さん(42)。岐阜県・大垣市出身で、有名な金融機関に勤める厳格な父に反発。中学時代から非行に走り、暴走族のリーダーになった裕太郎さんは、19歳の時に暴力団員の勧めで覚せい剤に手を染めたという。当時を振り返り、「とにかく薬漬けなので。もう朝起きたら、(腕に注射を打つ仕草をしながら)とにかくやる。そこから最後はもう、2時間おきに打ち続けるんですけど。今まで、『勉強、勉強』言われたり、教育熱心な親に対して、そういう言葉に傷ついたり、反発してグレていったという経緯もありますから」と、語った。

 20代前半は“薬漬けの日々”だったそうだが、「後続車が照らしているヘッドライトの光がパトカーの赤色灯に見える」など警察官に追われ続ける幻覚や、「杉山待て」と呼び止められる幻聴も。仕事柄、細かいことが気になり、小言の連続だったという裕太郎さんの父・哲夫さんは「(息子が)薬物をやっているとは、ちょっと分からなかったです。“なんかおかしいな”と(思っていた)。我々もそういう(薬物に関する)知識がないもんですから。その時点ではね」と、率直に吐露した。

 覚せい剤から抜け出せなくなって4年、裕太郎さんが23歳の時、父の前で驚きの行動に。「“この人たちはまだ俺をレールに乗せたいのか?”と。“だったら、今の状態を見せてやんなきゃな”っていう風に、たぶんその時突発的に思って。目の前で注射するところを見せたんですね。そうしたら、お父さんがもう泣きじゃくって。『お前、こんなことやっとったらあかん!』って。『お前が立ち直るためだったら、お父さんとお母さんはなんでも協力してやるから』って。『だから、一緒に頑張ってやめよう。おめぇの人生、まだ終わってねぇぞ。ええか?』って(言われた)。バァーって抱きしめて、ウワーって泣いて。“俺は愛されとったんや”って、その時気付いたんですよ」と、阿鼻叫喚の現場を想起した。

 家族の愛情を感じた裕太郎さんは、この段階で初めて“覚せい剤をやめたい”との気持ちが芽生えたものの、「体は求めてしまうんですね。やっぱり、気持ち良い、気持ち良かったっていう感覚っていうのが忘れられないので。結局、2年ぐらいやめられなかったです。完全には」と、回顧。覚せい剤への欲求をそらすためにスポーツジムへ通い始め、「やりたいと思ったら、汗流したりとかすれば気持ちが治まって、スッキリする。ジムを取り入れたのが大きかったですかね」と、自身の克服法を明かした。こうして覚せい剤を打つ感覚が空いていくうちに幻聴や幻覚はなくなったといい、「やっぱり大きかったのは、親が気持ちを分かってくれたってことが凄く。僕の気持ちを理解してくれた」と、述懐。更生後は歌手を目指して上京し、薬物防止を訴える活動を始めたそうだ。

 最後に番組では、幻聴・幻覚を克服するポイントを端的に紹介。薬物常習者は「『依存性』という病気であると自覚」「元の仕事は諦める覚悟」「気をそらすものを探す」ことが重要だという。

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