ベテラン気象予報士・森田正光が天気予報の裏側を暴露！　「こんなこと言っていいのかな……」

2017年12月15日

　河本が「天気図見て予報してるんでしょ？」と根本的な疑問を尋ねると、森田氏は「そうです。でも、今は……」と口走った後、「こんなこと言っていいのかな……」と、躊躇。MC陣に「『こんなこと言っていいのかな』っていう番組なんです」（名倉）、「それを承諾した上で来たんですから、森田さんも」（河本）と後押しを受け、ようやく「天気予報って、我々（気象予報士は）ほとんど出してないです」と、明言した。

　共演者らがザワつく中、「スマホ（スマートフォン）……スマホ1台あれば」とポケットを探った森田氏は「なんで（スマホと）一緒に鍵が出てくるんだ」「今日はマネージャーも誰もいなくて1人で来たもんですから」と照れ笑いを浮かべ、名倉が「知らんて！」とツッコむ一幕も。改めて、森田氏が「スマホ1台あれば、全部天気予報が出てくる」とコメントすると、今度は華原が「テレビの天気予報よりも、全然携帯の方が当たってるんですよ、最近」と、指摘。

　森田氏は「それは、その通りですよ」と返しつつ、「スマホの、携帯の天気予報を見て我々（気象予報士）が（天気予報を）やってるんだから」と、アッサリ。“見届けゲスト”のペナルティ・ワッキーは「マジで！？」と目を丸くし、河本は「今度からこうやって（スマホを見ながらテレビに）出なはれや！」と、呆れ声を上げた。

　しかしここで、森田氏は「誤解なきように言うと……」と、肝心な一言を強調。「天気予報っていうのは、ものスゴいデータが集められます。世界中から集められます」と補足し、たとえば気象庁でもスーパーコンピューターの中でそのデータが計算されていることを説明。こうして算出されたデータは「人間の入る余地のないくらい良くできている」（森田氏）といい、それを受け取って「多少の（解釈など）“これは違うんじゃないか？”とか、考えてるのが我々（気象予報士）の仕事」と、語った。

　名倉が「でもさ、同じスーパーコンピューター（のデータ）を全部見てても、各局微妙に（天気予報が）違う時がないですか？」「それって解釈（の違い）なの？」と疑問をぶつけると、森田氏は「会社ごとによって、統計的な処理の仕方が違っていて、数値予報のデータ、コンピューターのデータそのものが微妙に違っていることがあります」と、解説。ズレはあるものの、気象予報士は基本的にコンピューターが出した予報を伝えている現状なんだとか。

　名倉はなおも「今やスーパーコンピューターなんか相当な精度なワケでしょ？　なのに“なんで気象予報士さんが言うとちょっと微妙にズレるんやろ？”って……」と食い下がり、河本の「（データを）貰ったヤツで、ちょっと解釈する時に自分なりに変えてもうてるから」という発言にも、「なんで変えるの？　“そのまま伝えてよ”って思う」と、不満げな様子。「（スーパーコンピューターの天気予測を）分かりやすく説明するのが気象予報士さんですよね」（河本）と確認された森田氏は「そう。その通りです」と、肯定した。

　そんな話を踏まえて、ワッキーが「森田さんの中でも“コイツはスゲェなぁ”って（思う気象予報士は？）」と質問したところ、「僕は“自分が一番スゴい”って思ってる」と、即答。これにはMC陣が「結構誤差が出てくるから怖いんです」（河本）、「森田さん（の天気予報）は多少誤差が出てますよ」（名倉）と苦笑いしたが、本人は「夕方だから！」と、『Nスタ』の放送時間が要因だと訴えた。

　森田氏いわく、「コンピューターの初期値っていうのがあって、データが新しいほど当たる」「その時間（天気予報を伝える時間）が新しいほど当たりやすくなる」とのこと。たとえば、午前9時の天気予報で午後12時までならば約3時間の予測となるが、午後6時に翌朝9時の予測をする場合は10数時間経っているため、「（誤差が出るのは）その時間の差ですよ」と、力説した。以上の点から、「だから朝の（番組の気象予報士の）方が有利なんです！」と結論づけた森田氏に、名倉は「気象予報で有利とかあんの？」と、大爆笑。

　ちなみに、かつては気象協会の中でランク付けされていたという気象予報士。その階級は上から、NHKのお天気コーナーに出演する「N」、民放のテレビのお天気コーナーに出るのは「T」。このほか、テレビのお天気コーナーをサポートする「A」、ラジオでMCと掛け合いながら天気予報を伝える「B」、同じくラジオだが掛け合いなしで1分ほどの天気予報を行う「C」、177（気象庁の電話サービス）の天気予報を担当する「D」、原稿書きなど雑務をする「E」といった分類になっていたとか。

　名倉が「NHK（に出演できること）が一番スゴいんだ？」と驚くと、森田氏は「そうですね」と頷き、「それぞれの階段を上がっていくのに2～3年かかるので、大体Bパートまで行くのに7～8年から、10年はかかる」と、気象予報士の厳しい道のりを明かしたのだった。

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